当協会について

設立趣意書

 今日、日本は、少子高齢化と人口減少という未曽有の社会課題を抱えている。これは他国でもいずれは生ずる問題と認識されており、この条件下で経済発展を進めることが先進国日本の世界における責務と考える。この課題を解く大きな鍵の一つが、情報通信関連技術の研究開発とその先にあるイノベーションであることは論を待たない。
 情報通信産業は、製品を納入して完了する単純な産業ではなく、異なった事業間連携、異なった国家・政治・社会制度間の調整を必要とするものが多く、関連する法制度の改革を迫られることも多い。現在は、人工知能とそれを支える情報通信関連技術の発達により産業も社会全体も大きな変革期を迎えている。2025年招致を目指している大阪万博においては、そのような技術を基盤に、機械化で増大した余暇の利用を促進し人間の幸福に結びつけられるような未来社会を設計して世界に示さなければならない。
 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は30年余にわたり情報通信関連技術の研究開発に取り組み、人工知能分野に限っても、30年前に深層学習を音声認識に導入するなど、今日実用化している技術の先駆けとなる幾多の成果をあげてきている。今や、これらの基礎技術を道具として、多様性社会を許容し持続可能な社会展開を目指した新しい先端技術領域を開拓する段階にある。関西文化学術研究都市の地域的な特徴を生かし、伝統と革新を取り込んだ社会展開を目指し、既存の枠組みにとらわれない自由な発想とモノ作りを進めることこそが目指すべき道である。昨今は、技術の高度化以外にも、法律や倫理等の面から普及時の問題を予知し的確な制度改革や世論形成を図るような、技術を俯瞰した側面からの評価や支援も重要になっている。そのため、個々の技術にとどまらず、普及時の社会課題をも考えられるような総合的な人材を育成する必要がある。特に、ATRのような製造部門を持たない研究機関が成果展開を図るには、基礎研究からモノ作りまで幅広い領域をカバーし多様な連携によるイノベーション創出の可能性を持つけいはんな地区において、他の研究機関、事業者や生産機能を持つ企業等との産学官連携を推し進める必要がある。
 そこで、広く内外の叡知を集め、関連技術の研究開発の方向性を示し、研究成果展開の産学官連携と社会イノベーションを推進できる人材の開発を目指すとともに、ATRの価値向上を目的として持続的な組織運営を支援するため、本法人の設立を行うものである。

平成30年9月

 

定款

第1章 総 則
(名称)
第1条 当法人は、一般財団法人ATRメタリサーチイノベーション協会と称する。
(主たる事務所)
第2条 当法人は、主たる事務所を京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2に置く。
(目的及び事業)
第3条
当法人は、情報通信および人工知能の技術ならびにこれらをベースとする脳情報科学や生命科学等の分野(以下「情報通信等の分野」という)の研究開発の振興と社会イノベーションの推進を目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
(1) 情報通信等の分野の研究開発に関する計画の策定
(2) 情報通信等の分野における地域内での連携によるイノベーションプロジェクトの推進
(3) 情報通信等の分野の研究開発の一般への啓発およびこれら分野の研究者の育成
(4) 情報通信等の分野の研究開発の成果展開時における社会課題を解決できる人材の育成
(5) 上記研究開発を遂行する研究機関への持続的な組織運営支援
(6) その他,当法人の目的を達成するために必要な事業
(公告)
第4条 当法人の公告は、電子公告により行う。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、官報に掲載する方法により行う。

第2章 財産及び会計
(設立者の氏名及び住所並びに拠出する財産及びその価額)
第5条 設立者の氏名及び住所並びに当法人の設立に際して設立者が拠出する財産及びその価額は、別表のとおりである。
(事業年度)
第6条 当法人の事業年度は、毎年7月1日から翌年6月30日までの年1期とする。
(剰余金の分配)
第7条 当法人は剰余金の分配は行わない。

第3章 評議員及び評議員会
第1節 評議員
(評議員)
第8条 当法人に、評議員3名以上7名以内を置く。
(選任及び解任)
第9条 評議員の選任及び解任は、評議員会において行う。
 2 評議員は、この法人又はその子法人の理事又は監事若しくは使用人を兼ねることができない。
(任期)
第10条 評議員の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとし、再任を妨げない。
 2 任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。
 3 評議員は、辞任又は任期満了後においても、第8条に定める定員に足りなくなるときは、新たに選任された者が就任するまでは、なお評議員としての権利義務を有する。
(報酬等)
第11条 評議員は、無報酬とする。ただし、評議員には、その職務を行うために要する費用の支払をすることができる。

第2節 評議員会
(権限)
第12条 評議員会は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)に規定する事項及びこの定款に定める事項に限り決議する。
(開催)
第13条 定時評議員会は、毎事業年度終了後3か月以内に開催し、臨時評議員会は、必要に応じて開催する。
(招集)
第14条 評議員会は、理事会の決議に基づき、代表理事が招集する。
  2 前項にかかわらず、評議員は代表理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。
  3 前項による請求があったときは、代表理事は遅滞なく評議員会を招集しなければならない。
(招集の通知)
第15条 代表理事は、評議員会の開催日の5日前までに、評議員に対して、会議の日時、場所、目的である事項及び議案の概要を記載した書面により招集の通知を発しなければならない。
2 前項にかかわらず、評議員全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく、評議員会を開催することができる。
(議長)
第16条 評議員会の議長は、評議員会において、出席した評議員の中から選出する。
(決議)
第17条 評議員会の決議は、議決に加わることのできる評議員の過半数が出席し、その評議員の過半数をもって行う。
2 一般法人法第189条第2項の決議は、議決に加わることのできる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
(決議の省略)
第18条 理事が、評議員会の目的である事項について提案した場合において、その提案について、議決に加わることのできる評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。
(報告の省略)
第19条 理事が評議員の全員に対し、評議員会に報告すべき事項を通知したその事項を評議員会に報告することを要しないことについて、評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その事項の評議員会への報告があったものとみなす。
(議事録)
第20条 評議員会の議事については、法令で定めるところにより議事録を作成し、出席した評議員及び理事がこれに署名または記名押印する。

第4章 役員及び理事会
第1節 役 員
(役員)
第21条 当法人に、次の役員を置く。
理事 3名以上7名以内
監事 2名以内
2 理事のうち1名を代表理事とする。
(選任等)
第22条 理事及び監事は、評議員会において選任する。
 2 理事を選任する場合には、各理事について、次のイからヘに該当する理事の合計数が理事
 の合計数の3分の1を超えてはならない。
   亻 その評議員及び配偶者又は3親等内の親族
   ロ その評議員と事実上婚姻関係と同様の事情にある者
   ハ その評議員の使用人
   ニ ロまたはハに掲げる者以外の者であって、その評議員から受ける金銭その他の財産に
    よって生計を維持している者
   ホ ハ又はニに掲げる者の配偶者
   へ ロからニに掲げる者の3親等内の親族であって、これらの者と生計を同一にする者
 3 監事は、当法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。
(任期)
第23条 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終了の時までとする。
 2 監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終了の時までとする。
 3 任期の満了前に退任した理事又は監事の補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。
(理事の職務及び権限)
第24条 理事は、理事会を構成し、法令及びこの定款の定めるところにより、 その職務を執行する。
 2 代表理事は、当法人を代表し、その業務を統括する。
 3 理事は、毎事業年度に4カ月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告する。
(監事の職務及び権限)
第25条 監事は、理事の職務の執行を監査し、法令の定めるところにより、 監査報告を作成する。
 2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、当法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
(解任)
第26条 理事又は監事が次の一に該当するときは、評議員会において解任することができる。ただし、監事を解任する場合は、議決に加わることのできる評議員の3分の2以上に当たる多数の決議に基づいて行わなければならない。
 (1) 職務上の義務に違反し、又は職務を懈怠したとき。
 (2) 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
(報酬等)
第27条 理事及び監事の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当法人から受ける財産上の利益は、評議員会の決議によって定める。

第2節 理事会
(権限)
第28条 理事会は、この定款に別に定めるもののほか、次の職務を行う。
 (1) 当法人の業務執行の決定
 (2) 理事の職務の執行の監督
 (3) 代表理事の選定及び解職
(開催)
第29条 理事会は、通常理事会及び臨時理事会の2種とする。
 2 通常理事会は、毎事業年度2回以上開催する。
 3 臨時理事会は、次の各号の一に該当する場合に開催する。
   (1) 代表理事が必要と認めたとき
   (2) 代表理事以外の理事から会議の目的である事項を記載した書面をもって代表理事に招集の請求があったとき
   (3) 前号の請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合に、その請求をした理事が招集したとき
   (4) 監事から、一般法人法第197条において準用する同法第100条に規定する場合において、必要があると認めて代表理事に招集の請求があったとき
   (5) 前号の請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合に、その請求をした監事が招集したとき

(招集)
第30条 理事会は、法令に別段の定めがある場合を除き、代表理事がこれを招集する。
 2 理事会の招集通知は、会日の5日前までに各理事及び監事に発する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。
 3 理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで理事会を開催することができる。
(議長)
第31条 理事会の議長は、代表理事がこれに当たる。
(決議)
第32条 理事会の決議は、この定款に別段の定めがあるもののほか、議決に加わることができる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
(決議の省略)
第33条 理事が理事会の目的である事項について提案した場合において、その提案について、議決に加わることができる理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす。ただし、監事が異議を述べたときはこの限りではない。
(報告の省略)
第34条 理事又は監事が理事及び監事の全員に対し、理事会に報告すべき事項を通知したときは、その事項を理事会に報告することを要しない。ただし、一般法人法第197条において準用する同法第91条第2項の規定による報告については、この限りではない。
(議事録)
第35条 理事会の議事については、法令で定めるところにより議事録を作成し、出席した理事及び監事は、これに署名または記名押印する。

第5章 定款の変更及び解散
(定款の変更)
第36条 この定款は、評議員会において、議決に加わることのできる評議員の3分の2以上に当たる多数の決議によって変更することができる。ただし、第3条に規定する目的及び事業、第37条に定める残余財産の処分並びに第9条に定める評議員の選任及び解任については変更することができない。
 2 前項にかかわらず、評議員会において、議決に加わることのできる評議員の4分の3以上の議決を経て、第3条に規定する目的及び事業並びに第9条に規定する評議員の選任及び解任の方法について変更することができる。
(解散)
第37条 当法人は、財産の滅失その他の事由による当法人の目的である事業の成功の不能その
他法令で定めた事由によって解散する。この場合、残余財産があるときは、評議員会の決議
を経て国、地方公共団体もしくは公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5
条第17号に掲げる法人に贈与するものとする。

第6章 附 則
(設立時評議員)
第38条 当法人の設立時評議員は、次のとおりとする。
設立時評議員 葉原 耕平、松本 正夫、八木 康史、横矢 直和、吉田 進
(設立時役員)
第39条 当法人の設立時理事、設立時代表理事及び設立時監事は、次のとおりとする。
設立時理事 榮藤 稔、木戸出 正継、高橋 賢藏、西田 豊明、萩田 紀博
設立時代表理事 木戸出 正繼
設立時監事 中川 雅永
(最初の事業年度)
第40条 当法人の最初の事業年度は、当法人成立の日から平成31年6月30日までとする。
(法令の準拠)
第41条 本定款に定めのない事項は、すべて一般法人法その他の法令に従う。


以上、一般財団法人ATRメタリサーチイノベーション協会設立のためこの定款を作成し、設立者が次に記名押印する。

平成30年10月9日

設立者 株式会社けいはんな
         代表取締役           荒木 康寛       ㊞

日本電通株式会社
         代表取締役           上  敏郎       ㊞

株式会社国際電気通信基礎技術研究所
代表取締役                    浅見  徹       ㊞

                         平田 康夫       ㊞


                         畚野 信義       ㊞


                         葉原 耕平       ㊞


                         酒井 保良       ㊞

             
                         榑松  明       ㊞

             
                         古濱 洋治       ㊞